身の丈

行けば戻るのが嫌になる
戻れば行くのが面倒だ

服は汚れないように
だから汚れることをしたくない

洗濯したら型がくずれる
生地が傷む

新しいものを新しいままに
古くはしたくない

できることが増えれば
できなくなることが怖くなる

手に入れれば
失くなることが怖い

好かれれば
嫌われたくない

知ればわからなくなり
知らなくてもわからない

強くなれば弱くなることが怖い

美しさを求めれば
醜さが怖い

勝てば負けるのが怖い

恐怖はどこにでもある
いくらでも生み出せる

そこから逃れようと
逃れようと逃れようと
そうすればするほど
恐怖はどんどんと増してくる

失くなるのが怖いから
欲しいものは全部手に入れたい

失くならないように
いくらでも。

そこに自由なんてない。

努力しようが頑張ろうが。
砂の器。

勝ち負けも
所有も
何になるかも
地位も名誉も

失くなる恐怖や
なりたくない恐怖から
ただ逃げるためだけの
方便。

それが叶わないなら生きる意味がないとさえ。

死は、失うことの最大なのに。

すべての恐怖の大元。

そうなりたくないもの。
そうであって欲しくないもの。
すべてが消え失せる。
それが死ぬこと。

ひたすらそこから逃げ回るけれど
よもや
それが死だとは思わない。

自己実現に向けての努力だとか
希望や夢だと
飾った言葉に言い換える。

ただ自分が自分じゃなくなるのが嫌なだけ。
自分が自分じゃなくなる、それを、死という。

夢や希望は
死から逃げること?

たぶん、違う。

死を超えること。

忘れることじゃない。
逃げるわけでもない。

超える。
もう、死自体、消える。

もう
失うこと自体
なくなるんだから。

それが希望ってゆーんだろう。

それはもう。
人の力じゃない。
もう人の力が及ぶことじゃない。

努力や頑張りが付け入る隙間はない。

もはや。すべて。
神の領域だ。

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