あちらとこちら

門を潜ると。
地面はなく。
遠くに向こう側の陸。
途中に浮島があって。


出て行ったその子は
寒そうな綺麗な服を着て
荷物を持って
宙を歩く。
足で歩く。




遠く霞む向こう側へ。
もう直ぐ途中の浮島。


飛んで、追い付いて


途中で浮力が消えそうになりながら


追い付いて


浮島にかきついて。






気付いた彼女は笑って
行ってくるねと言うから









おーよっ!!












寒そうだから
あったかい僕の上着を。






僕は帰らなきゃならない。
君は帰ってくるかどうかわからないけれど。






待ってるわけじゃない。
帰ってこなくてもいい。


ただ、こんなに一緒にいることが
幸せだと思ったことはない。





彼女は宙を歩く。
振り返って手を上げて。
笑って。






だから僕も手を上げて
笑って。






霞む中に消えたのを見て。


踵を返し。
門の中に戻ろう。






飛んで帰るよ。





この門を潜るため
彼女が歩くため
いろんなことをした。





苦悩や苦痛もあったけれど
それは新鮮で
闘いもそれは新鮮で。





けれど帰ってきたら
もぬけの殻。
こんなにも色が消えるのかな。


時間の流れが違うんだろう。
あんなに賑わったお店も
あんなに人がいた道も
もう誰もいない。

路地は暗く。
蜘蛛の巣だけ、見える。
そこら中に草が生えてる。






ここが生きてたのは
あんなに活気あったのは
幻なのかな。






どこからか
子供達がやってきて
僕らがいたお店を指差す。



ボロボロ。

幽霊いるんだって。






真新しかった垂れ幕や暖簾は
もう朽ちて。
端々にある欠片が垂れ下がる。






門の外に出ることがダメだったのは
こーゆーことなんだろう。






というか、戻ってくることが。
ダメだったんだろうな。






見えなくなった身体と。
流れ消えていく景色を見ながら。

不思議な時間の流れを。
見続ける。


















どこかで声がしたんだ。



でもわかるのかな。



僕はもう見えない。

見てくれるのかな。






僕は振り返ってみるよ。
声のする方を。






。。

で、目が覚めた。
変な夢。
祭りみたいな感覚。

祭りのあとはなんだか切ない。
祭りの時はあんなに楽しかったんだけど。

たぶん振り返ったそこには
また彩りがあったんだろうな。













さぁ、今日も寒い。
けれど少し。
出掛けて来よう。

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